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クルマの自動運転 賠償責任は

クルマの自動運転では、損害保険各社が、「被害者救済特約」「無過失事故特則」などで補償する内容を発表、来たるべき時代に備える姿勢を見せています。

自動運転の実現と普及により、事故の削減、環境負荷の軽減、高齢者の移動手段の確保など、様々な効果が期待されています。

一方では、事故が発生した場合の責任の所在については、法的課題が残されています。




クルマの自動運転、実現と普及

自動運転の実現と普及により、事故の削減、環境負荷の軽減、高齢者の移動手段の確保など、様々な効果が期待されています。

一方では、事故が発生した場合の責任の所在については、法的課題が残されています。

自動運転は、政府や専門家によると、下記の4区分で考えられています。

レベル1 加速・操舵(ハンドル操作)・制動のいずれかの操作をシステムが行う

レベル2 加速・操舵(ハンドル操作)・制動のうち、複数の操作を一度にシステムが行う

レベル3 加速・操舵(ハンドル操作)・制動をすべてシステムが行い、システムが要請した時のみドライバーが対応する。

レベル4 加速・操舵(ハンドル操作)・制動をすべてシステムが行い、ドライバーが全く関与しない。

(関与しない時点で、ドライバーという呼び名とマッチしないと思うのですが・・・。)

交通事故においては、事故が起きると、ドライバーの注意義務違反や運転操作の不適切、

車両のメンテナンスの適否などにより、事故の責任関係が論じられることになります。

では、上記のレベル4にいたり、自動車の走行に、ドライバーという人間の操作が全く関与しない中で、

事故が発生した場合、その責任の所在はどうなるのでしょうか?

事故の発生の原因が、自動車の技術的欠陥によるものなのか、所有者のメンテナンスの問題や利用者の

使用方法の誤りによるものなのか、その他の要因によるものなのか、これらの複合した原因なのか、

いずれにしろ、現行の法律や免許制度などだけでは、判断が難しいと思われます。

政府は、自動車の安全基準、利用者の義務、免許制度など、自動車に関する法令等を抜本的に

見直した上で、事故発生時の補償のあり方について、論じる必要にせまられています。

一方、利用者の立場でも、いろいろと考えさせられることがあります。

例えば、運転免許証は、車の基本的な構造や交通法規を学び、車の運転操作を習い、

国家試験に合格した人に交付されています。

完全自動運転になると、運転操作することがなくなり、車載カメラによって、道路標識も認識されるので、

運転技術や交通法規の知識がなくとも、安全に走行できる、はずですから、今の運転免許証という国家資格が、

無用の長物になるかもしれないのです。

また、自動車の車検制度も一変することになるでしょう。もちろん、従来通り、ハンドルやブレーキ、これらの

運転装置が正しく作動するかなど、従来の点検項目も残るでしょう。

しかし、システムが自己診断して、球切れやタイヤの磨耗などを、所有者に警告して、整備を促し、整備工場では、

システムの自己診断機能が正しく作動しているかを、点検する、というのが、未来の車検の姿かもしれません。

もうひとつの問題として、サイバーセキュリティ対策があげられます。自動運転に欠かせないシステムが、

ハッキングやウイルス感染などにより、自動車が正常に作動しないばかりか暴走してしまう、

更には、テロリストの攻撃手段として利用される可能性もあります。

自動運転技術の普及には、軍事施設や国家機密レベルのセキュリティ対策の必要があるのかもしれません。

このようにして見ると、法律の整備、事故時の補償問題の整理、安全対策など、まだまだ、課題は多く残されていると

言えるでしょう。

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